2010年3月13日土曜日

インドのカイゼンとMissing Middle

先日のカンファレンスのプレゼンの話がまだ残っています。

某最大手コンサルタント出身のStanfordの教授が、現地のコンサルタントと組んでインドの28の繊維工場のマネジメントを改善して、平均で15%、生産性を向上、$500K/yearもprofitを上げることが出来た、という話があって、この話がMBA学生からは恐らく一番関心を引いていた。

具体的なマネジメントの向上の手法は、日本のお家芸的なカイゼンが中心。例えば5Sとか、定期的なデータ集計に基づく品質管理、在庫管理、受発注管理といったもの。対象はランダムに選定され、コントロールグループのデータとの比較も行われているので明らかなバイアスも無い。

ということで、問題は何故こんな明白なBusiness Chanceが眠ったままなのか?という話である。事業者サイドの分析としては、事業者のうち多くは、上で書いたような手法を単純に「知らなかった」か「間違って理解していた」ために実施していなかったということであった。事業者側にそこまでのインセンティブも無い、という話もあった。但し、資本の制約は「存在しない」とのことである。

他方で、投資家・コンサルサイドの分析としては、これは論文中では書かれていなかったので、僕の推測に過ぎないが、(1)途上国のPEは基本的に$25M以上の大規模投資を中心に行っており、Microfinanceはより小規模の事業主を対象とした投資を行っている、のでこの論文の対照となっている売り上げ$8M程度の会社に先進国からの投資はあまり行っていない、(2)大手コンサルはフィー・インパクトの関係から、基本的に業界のtopと仕事をしている、という2点が挙げられると思う。

Non-profitのファンド、例えばendeavorなどは、こういった事業を対象にしていると思うが、いずれにせよ、こういったEmerging MarketsのMiddle Sizeの会社に対する投資・コンサルタントというのは未だに空白地帯として残っているのではないか、と思う。別に僕が思っているわけではなくて、Missing Middleという割と大雑把な議論は結構前からされていたりする。

カイゼンという論点からは、実は僕も同じようなプロジェクトをエジプトでやったことがあるのだが、他にもこんな会社があったり、"Toyota kaizen Consultant"で検索すると色々な会社が出てくる。

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