2011年3月10日木曜日

ドラゴンボール的キャリア形成の時代はとっくに終わっている

さて、唐突ですが、ドラゴンボールという漫画では、戦闘力という数値がありました。知らない人は少ないと思いますが、高ければ高い程強いという、アレです。Wikiったところ、農夫の戦闘力は5、宇宙最強の存在であるフリーザの変身前の戦闘力は53万らしいです。

ドラゴンボールが流行ったのがバブル全盛期。僕も小学生でかなりアツくなっていました。

で、その後の少年ジャンプといえばOne PieceやHunter Hunterですよね。One Pieceでは賞金額という若干戦闘力に似たシステムがありますが、こういった最近の少年漫画は、基本的には色々な能力を持った人が協力して戦う、といった類のものが多いです。

で、世の中というのも、同じような変遷があると思うんですよね。

バブル以前は、「全体的に」優秀な人から順番に、省庁、商社、銀行、メーカー…という風に仕事を選んでいって、優秀な人がより規模の大きいものを取り扱っていた。経済全体に追い風が吹いている中では、規模の大きい事業が一番大きなオカネを生んでいたし、成長のポテンシャルもあったわけですよね。戦闘力志向の社会です。

ですが、最近は若干様相が違うみたいです。経済全体としては向かい風の中で、どうも一番大きい事業と一番成長する事業は違うらしい、という感じになってきた。さらに言うと、どうも海外の人たちは専門特化した人が多くて、「全体的に」優秀な人が特定技能に著しく秀でた海外のライバルに勝てなくなってきた。One Pieceで滅茶苦茶強い敵が普段は使えない仲間キャラに特殊な技で倒されるように。こちらは悪魔の実志向の社会(=One Pieceですね)。


所詮、人間の戦闘力(=全体的な能力)の差なんていうのはプラスマイナス10%程度で、ドラゴンボール程に大きな開きは無いわけですから、その中でよい成果を出そうとしたら、専門特化しかないわけですよね。そして自分のユニークさを築きあげることの出来る、構想力が大事。

0.1%とか0.2%とかの小さな戦闘力の差を巡って戦うよりは、そっちの方が余程健全な気もします。

しかしながら、いまだに大手企業の新卒採用というのは、入ってから幾つかの部署を経験し、最終的には「全体的な」能力の高い人材を育てようとしている。さらに言うと、なんとなく世の中で戦闘力の高い企業の序列みたいなものがインプリシットに存在している。で、そこから逆算風に、いい大学、いい高校、いい中学という風に小学校ぐらいまで序列化されている。

日本の社会の仕組みが世の中の仕組みの変化についていってないんですよね。

よくよく考えてキャリア形成をしたほうが良いと思います。