2010年11月25日木曜日

ネクラなリーダーシップ

急な話ですが、リーダーシップというのは組織や物事を変えるために、周りの人を動かす力だと思っています。で、どういう性格の人が強いリーダーシップをもてるか、というと、やっぱり明るくて外交的であることは大事なんだろうな、と思っていました。というか、破天荒で豪放磊落で若干KYなところがあるくらいが良いと考えていました。

ところが、最近Amazonによる買収が報道されたDiapersの社長のインタビューを見ると、どうもこの社長は結構ネクラな感じがします。機械のように働いて、パートナーとのディスカッションと分析に多くの時間を使う。でも数年で大きな会社を作り上げるだけの手腕は確か。

カーライルの創業者の一人David Rubensteinも、かなりエネルギッシュですが必ずしも豪放磊落なタイプではありません。このスピーチの特に良いところは、人生の第一ステージ(学校でよい成績を取ること)に成功した人が、第二ステージでうまくいくとは限らない、というお話と、弁護士、行政といった仕事での試行錯誤を経て、かなり遅いステージで自分に最も適するPEという仕事にめぐり合った、というお話です。スゴい経歴ですが、ゲイツやジョブスのような、天才タイプではないし、野性的な嗅覚で生きているわけでもない。




こういった人達を見ていると、自分の性格を無理して変えようとするよりも、自分の長所と短所をいかに使い分けていくか、の方が余程重要だな、と感じます。性格なんて年をとってもたいして変わりませんし、足りないところは誰かに補ってもらえばいい。

まぁ、日本のネクラなリーダーといえばこの人ですしね…



大抵のMBAでは組織や社会でリーダーシップを担う人材を育てる、ということになっているのですが、まぁ確かに授業の中でも外でも色々と考えさせられることは多いようです。日本にいるときよりも、役割分担とチームワークの大切さを学んでいる気がしますね、不思議と。

2010年11月14日日曜日

最近の食事情


うまいコーヒーが飲みたい、ということで、昨日ダウンタウンのIntelligentsiaというコーヒーチェーンに行ってみたら、ペーパーフィルターでコーヒーをいれ、あらかじめお湯であっためておいたポットとカップでサーブされる、というアメリカでは有り得ない展開が。


まぁでも、そんな店は滅多に無いので、最近は週末にしっかり自炊してます。トマトを湯むきして煮詰めてホールトマトにしてパスタに入れたりとかね。変なこだわりを出しまくっています。


昨日つくった豚肉と白菜のだんだん鍋風スープもうまかった。塩としょうがとにんにくと日本酒でシンプルに味をつける。薄切りの豚肉が日本の薄切り肉の4倍くらいの厚さがあるので、ディジョンマスタードをつけて食べたらウマイのなんのって。これであと3日は料理作らなくて済むなw

平日は冷凍していた料理をチンして食べる。OLみたいな生活です。

2010年11月7日日曜日

Realism or Pessimism?

先日シカゴ大学でThe Emerging Markets Conferenceというのがあって、少しだけ参加してきました。何か今回のカンファレンスは凄くレベル感の違う人たちがレベル感の違う話をするという、明らかにアジェンダセッティングと招かれる人に問題のあるカンファレンスだったのですが、お陰で幾つか面白い議論を聞けました。

(1) Renewable Energy Panel
A: 某国際機関「ブラジル(北東部?)では水力発電と風力発電は補完関係にある。ダムの発電量が減る乾季は風が強いからだ」

B: ブラジルの起業家「いや、風力は日単位・時間単位のボラティリティがあるので、水力とは完全な補完関係にはなりませんよ。バッテリー必要。」

(2) Infrastructure Panel
A: 某コンサルタント「インフラ開発のポイントは、各プロジェクトの優先順位付けと、PublicとPrivateのWin-Winの関係と…(以下略)」

B: インフラディベロッパー(南米)「政府によるトップダウンのプロジェクトの優先順位付けなんてありえません。誰がプロジェクトを取るかっていうと、一番声の大きいアグレッシブな人。それだけ。」


両方の議論に共通することは、現場との距離と楽観主義の相関です。現場から遠い人の方が、楽観的な意見を言う。もしくは、偉い人の方が、パブリックに向けたポジティブなメッセージを発するのに対し、実務者の方は実際に物事を動かすための方法を語る。会場は実務者の意見は"Pessimistic"だという空気になっていたが、これはいかんと思う。トップダウンのアプローチがクリエイティブなアイデアにつながることは多いが、ファクトベースの議論はその前提条件。

僕としては、実務家の見解に大いに共感しつつ、ではどうすればいいのか、というのは悩ましいと感じました。まぁ、これは個人的には20年くらいかけて解決すれば良いイシューかな。

前者に関しては、@adachihayaoさんが昔仰っていたように、蓄電池のコストを加算した上でrenewableのコストを既存の技術と比較する、というのがもっとあっても良いと思う。後者に関しては、企業戦略と国の戦略では、達成すべき成果の多様性に大きな隔たりがあって、国の戦略のほうが数段難しいということだと思う。