2009年11月3日火曜日

INAZO

Sushi, Seppuku, Humilityの裏にある日本の歴史や文化、考え方を知ってもらいたいと感じながら、なかなかうまく説明しきれず歯がゆい思いをしている。同じようなことを100年前に感じ、「変わっているね~」と思われるだけでは良しとせず、「武士道」という本を著したのが新渡戸稲造である。旧5000円札の人である。

彼は1862年に生まれ、アメリカに留学、国際連盟の事務次官になってUNESCOを創設者したということで当時の超国際人なのであるが、海外で日本の「無宗教」をうまく説明できなかったことを契機に、「武士道」を著し、これが17ヶ国語に翻訳されベストセラーになった。この本は、日本人の倫理、美徳といった表現し辛く説明しにくい概念を豊富な事例と西洋の古典との比較で説明している。例えば水戸光圀の著書とプラトンを比較したりしているのだが、客観性を保ち、分かりやすく噛み砕いて説明する努力が随所になされている。

長期にわたる海外での生活と大量の書籍から相手の文化を学び、自分の文化を伝える彼のアプローチ、そしてチャレンジ精神から学ぶものは今の僕にとって相当大きい。


…という話をBoothのスピーチセミナーでしてきました。多くの人はもう少し個人的なお話をしていたが、ぶっちゃけ僕としてはこの3ヶ月で自分語りに辟易しており、何かもう少し抽象的なことを伝えることにチャレンジしたい、という思いがあったのでこのトピックを選んだ。話をしながら、Audienceがちゃんと話しに引き込まれているな、という感触もあったし、講評会での感想を聞く限りでは、僕の個人的な経験と、彼の経験がConnectされていて分かりやすかった、ということであった。具体的な事例を挙げること、何でそのトピックに自分がPassionateであるかを伝えることが大事なんです。

日本から持ってきた数少ない本の一つですが、シカゴに居る方にはいつでもお貸しします。

武士道 (岩波文庫)武士道 (岩波文庫)
著者:新渡戸 稲造
販売元:岩波書店
発売日:1984-10
おすすめ度:4.5
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