2010年4月25日日曜日

中国発 新たな価値体系(1)

昔イエメンに出張で行ったとき、もうこの国を上回る衝撃を与えてくれる国と出会うことは無いのでは、と思っていたのですが、今回久しぶりに中国に行き、全く別のベクトルで物凄い衝撃を受けました。上海で会ったAmerican Chamber of Commerceのアメリカ人は、「中国は安価な労働力の供給先から商品の売り込み先へと変化している」と言っていました。が、僕の印象としては、中国はただ単に輸出大国・輸入大国なだけではなく、あたらな価値体系を生み出そうとしているのかな、と感じました。巨大な経済が物凄いスピードで成長する中で、物凄い数の試行錯誤が繰り返されており、それが中国以外の世界のどの地域でも見ることの出来ない新しいモノやValueを生み出しています。と、いうことで、中国の経済成長や、面白いアイデアを紹介出来るような写真を幾つか。

(1)成長率 * 経済規模
上海に過去10年間流し込まれたセメントの量は恐らく物凄いことになっていると思いますが、深圳はもっと衝撃的。
まるでCGみたいな街並み。
そしてそれを作り上げている恐るべき数の建機。こんな大量のストック見たことないです。

恐らくこの圧倒的なパワーや、変化の真っ只中にいるという実感が、現地の人々に物凄い自信を与えていると思います。今回、上海・香港で10数社に会いましたが、皆勢いがあり、日本ではついぞ耳にしたことの無い「10年後のビジョン」を自信をもって語っていました。

(2)面白い発想
当然ながら、日本や欧米をただ単に模倣しているわけではありません。新しいビジネスモデル、プロダクトデザインが生まれています。例えばコレ。
吉野家風の牛丼屋なのですが、このチェーン店では、丼の内側にアルミを貼って保温機能を高め、丼の作り置きを可能にしている。これでオーダーを受けてから丼を作るまでのサイクルタイムを短縮出来る。上海では賃金・地価の上昇のため労働集約的なビジネスだけでは競争出来なくなってきているので、今後もこういう面白いアイデアが生まれ続けるでしょう。顧客の柔軟性にも驚く(日本ではこんな丼受け入れられない)。


それから建築。上の写真のように、もう、ビザールとしか言いようの無い建築もありますが、中国建築設計研究院などの超大規模設計事務所のキャパシティ、デザイン・施工監理能力は凄い。世界の他の地域では見られないようなデザインのビルディングが立ち並んでいます。

こういった新しいデザイン・ビジネスモデルが物凄いスピード・規模で試行錯誤され続けている、というのが今の中国なのではないかと思います。次回はその背景にある行政の仕組みについて書きます。

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