2010年2月10日水曜日

アメリカ人が寄付する理由

すでにご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカでは個人レベルでのNon-profitに対する寄付が盛んらしいです。多分その理由は以下の3点だと思います。

1.文化的な背景
アメリカでは古くからコミュニティに対する金銭面での貢献がオープンにappreciateされていると思います。東大の安田講堂みたいに、人の名前のついた公共施設が沢山あります。履歴書や人物評においても、社会貢献活動は必ず評価され、仕事だけではなく社会問題に関心が高いことがエスタブリッシュメントの前提条件になっています。借金を背負って勉強しているMBA生の間でも盛んに寄付活動が行われています。私は借金をしている人がDonateするのは意味不明だと思っているのですが。

2.金持ちの多さ
恐らくはアメリカの大金持ちの数、所有する資産の量は日本に比べて圧倒的に多いので、それが寄付の量の多さにつながっていると思います。

3.免税
アメリカのほうが、寄付金が免税の対象となる機関が多く、他方で日本では住民税の控除の対象となる認定NPO法人の数が限られているなど、免税可能な寄付をするのが難しいらしいです。詳しく調べると結構難しい。時間のある人はこのHPをご参考にしてください。

http://www.mof.go.jp/f-review/r65/r_65_074_092.pdf

p18の価格弾力性と所得弾力性の話は実に面白いです。詳しい分析の仕方が気になりますが。

さて、ここ20年程度で、日本でも上の1.~3.が満たされるでしょうかね?経済の見通しの悪さ、社会保障問題、政府の累積債務を考えると、わたしはかなり否定的な見解を持っています。所得税率がアップして寄付したほうがマシ、というシナリオは笑えないな。

日本も近い将来はアメリカと同じようにNon-profit大国になるか?という話については、アメリカのNon-profitがどの程度寄付以外の資金収集能力があるか、ということと、法人による寄付の仕組みも調べないといけないので、何とも言えません。

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