2010年1月20日水曜日

企業参謀

をたまに読んでいます(大前健一)。この本は、間違いなく、これまで読んだ(そして最近はやりの)ロジカルシンキング本の中で一番優れているのではないかと思います。そのまま学校の授業に応用できる素晴らしい本です。ただ、その本の中の一部分だけを挙げて文句を言うのはよくないと思いますが、話が行政に入った途端、全く的を得ない議論になっているのには驚いた。

彼はイカ漁船の規制について例を出して、こういった行政の問題にも戦略的思考が役に立つことを示しています。ただ、そもそもヘビーな行政上の問題というのは、(1)その所在が発現するまで明らかではなく、発生した時点ですでに手遅れなことが多く、(2)とりうる対処策が法的根拠を有するか、倫理的に問題ないか、そして上位政策とのアラインメントが取れているかの判断が困難なために、行き当たりばったりに対応しているように感じられるのだと思います。個別最適解を出す能力の欠落が問題の中核にあるわけではない。

もちろん長い間議論が続いている幾つかの政治的課題について、大前氏の分析はきっと役に立つとおもうし、(1)も(2)も結局はしっかりした国家戦略があれば問題ないのかもしれません。ただ、感じるのは、ビジネスと行政はやはり違うということと、行政のあり方の変化の激しさです。この本は30年前に書かれた本であるにも関わらず、企業戦略については未だに新鮮味を感じる(その証拠に売れている)。でも行政に関しては、それは古いんじゃないの?と感じることが多々ある。そういうこともあってその中間を行く国際開発という仕事は面白いわけです。

最後はやや強引ですが。

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