2010年5月13日木曜日

Chicago Microfinance Conference

僕はどうもヒネクレているところがあって、はやりモノには手を出したく無いと常日頃思っているのですが、結局アンチであって得したことはほぼ一度として無いので、シカゴのマイクロファイナンスカンファレンスをちょっと手伝っていました。

このカンファレンスは、大学レベルで開かれるマイクロファイナンス関連のカンファレンスの中では最大のモノで、KivaやFINCAといった有名なMFI (Microfinance Institution)やIFC、それからKelloggやUCLAのアカデミアも招聘している大規模なものなのです。カンファレンスに出席して面白かったのは以下の4点。

(1) 技術革新とマイクロファイナンス
ツイッターでも書いたのですが、東アフリカのM-Pesaという携帯送金サービスは500万しか口座の無かったケニアで3年で900万も口座を作ったらしいです。他にもクラウドを活用する話が紹介されたり、やはりイノベーション関連の話は面白いです。

(2) 競争と利子率
MFといえば高額な利子率(ものによっては年間60%)が若干悪名高い。これはデフォルトリスク(Group Lendingの場合低いようですが)、アドミンコストに加えて、「競争の少なさ」がかなり大きな理由になっているというのが、パネリストの間での概ねの合意でした。逆に今後20年で競争が激しくなり利子率も下がっていくだろう、とのこと。

(3) "Social"を"Business"にPlug-inできるか
"Wall Street"的、あるいは(先進国の)商業化の視点からは、MFIを立ち上げるまでに時間がかかりすぎること、スケールが小さいことが足かせだそうです。ふうん、と思ったのが、社会貢献的な投資に関して、投資家は「リターンは妥協しないが、高めのリスクを取ることはありえるだろう」という話。確かにリスクの算定というのは仮説の積み重ねだろうからなぁ。

(4) 難しい分野
実は農業関連の貸付は全体の4%に過ぎないという話には衝撃を受けた。途上国の人口の大半が農業従事者ですからね。それから、クリティカルマスに達しない島嶼国での事業も今後の課題らしい。

IFCのMicrofinance Groupのヘッドの話が一番面白かった。10年くらいロンドンでコンサルをやっていた方なのですが、10年後、20年後の業界を見据えて仕事をされている。彼曰く、まずはフィールドでの経験を積め!とのこと。これはこの分野だけでなく途上国事業全般に言える事だなぁ。僕自身、最近、早く現場に出たくてうずうずしています。特にこの分野に関しては現場感覚が全くないからまだしっくり来ていない、というのがホンネのところです。スミマセン。

この分野はプロフェッショナルが沢山居ると思いますが、もし認識が間違っているトコロがあれば教えてください。

さて、来週はムハマド・ユヌスが来るということで、そのロジを手伝っています。

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