2010年11月7日日曜日

Realism or Pessimism?

先日シカゴ大学でThe Emerging Markets Conferenceというのがあって、少しだけ参加してきました。何か今回のカンファレンスは凄くレベル感の違う人たちがレベル感の違う話をするという、明らかにアジェンダセッティングと招かれる人に問題のあるカンファレンスだったのですが、お陰で幾つか面白い議論を聞けました。

(1) Renewable Energy Panel
A: 某国際機関「ブラジル(北東部?)では水力発電と風力発電は補完関係にある。ダムの発電量が減る乾季は風が強いからだ」

B: ブラジルの起業家「いや、風力は日単位・時間単位のボラティリティがあるので、水力とは完全な補完関係にはなりませんよ。バッテリー必要。」

(2) Infrastructure Panel
A: 某コンサルタント「インフラ開発のポイントは、各プロジェクトの優先順位付けと、PublicとPrivateのWin-Winの関係と…(以下略)」

B: インフラディベロッパー(南米)「政府によるトップダウンのプロジェクトの優先順位付けなんてありえません。誰がプロジェクトを取るかっていうと、一番声の大きいアグレッシブな人。それだけ。」


両方の議論に共通することは、現場との距離と楽観主義の相関です。現場から遠い人の方が、楽観的な意見を言う。もしくは、偉い人の方が、パブリックに向けたポジティブなメッセージを発するのに対し、実務者の方は実際に物事を動かすための方法を語る。会場は実務者の意見は"Pessimistic"だという空気になっていたが、これはいかんと思う。トップダウンのアプローチがクリエイティブなアイデアにつながることは多いが、ファクトベースの議論はその前提条件。

僕としては、実務家の見解に大いに共感しつつ、ではどうすればいいのか、というのは悩ましいと感じました。まぁ、これは個人的には20年くらいかけて解決すれば良いイシューかな。

前者に関しては、@adachihayaoさんが昔仰っていたように、蓄電池のコストを加算した上でrenewableのコストを既存の技術と比較する、というのがもっとあっても良いと思う。後者に関しては、企業戦略と国の戦略では、達成すべき成果の多様性に大きな隔たりがあって、国の戦略のほうが数段難しいということだと思う。

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