2011年5月28日土曜日

ターゲットは誰か?

元IMFのチーフエコノミスト、Rajan教授が、「全ての決断はEthicalな要素を含む。ひとつの問いに対して色々な(Ethicalな)見解があることを忘れるな。」という名言を残して最終授業を終えました。感動の最終講義でした。

…途上国でのビジネスにせよ、開発援助にせよ、常に「誰がターゲットになるか」というのは結構重い問題です。特に開発援助に関して、現場から遠い人は、最貧層にアプローチせよ!の一点張りなのですが、現場に近いとそうも言ってられなかったりします。例えば、教育。昔ラオスで学校を作るプロジェクトをやっていましたが、残念ながら本当の最貧層にはアプローチできませんでした。理由は、最貧層は山奥に住んで焼き畑農業に従事し、そもそもインフラがないので建設コストが異常に高くなるから。そしてもし建設したとしても、彼らは移住するので長く施設を使ってくれないからです。

最貧層というのは基本的に市場からのアクセスが極めて悪いところに住んでいるので、特定のプロジェクトのみでアプローチしようとすると、コストが異常に高くなります。それに、最貧層の1人を学校に行かせるのと、少し貧しい層の1人を学校に行かせるので、どっちが社会全体の効用を上げているかというと、この答えを出すのは難しいです。

この問題は、基本的に何をもって評価軸とするか、という問題でもあったりはするわけですが、基本的に僕は以下の図のように考えています。インパクトとコストがある程度つりあうところから順番にアプローチしていく。そのうちに世の中も良くなっていくだろう…
 

まぁ、冒頭のEthicsに照らし合わせると、この問いに関する答えは三者三様なのだと思いますが、そういう見解もあるということで。

2011年5月20日金曜日

ひと息

さて、突然ではありますが、今年の6月で卒業します。

と、いうことで、周りは毎日のように(本当に毎日ある気がする…)パーティーに明け暮れており、まぁ僕も出来るだけ出席しようと考えているわけですが、今週はひとつ大きなプレゼンがあったほか、レポートの提出やら、卒業後の旅行の計画やらで非常に御多忙な日々となっています。

ま、とりあえずきょうのプレゼンでひと息つけたけど…

卒業直後にヨーロッパ、アフリカ、アジアと回り、現地の投資家や企業家に会うたびをしようと思っています。段取りが結構大変…

卒業式には父母が来ます。おっさんの年齢になって恥ずかしいですが、わりとアメリカではこれが普通で、ほとんどの人の家族が来るんじゃないかな。まぁ、セグウェイにでも乗せてあげようと思います。

2011年4月11日月曜日

Last Quarter!!

と、いうことで、今学期も4つ授業をとることにしました。

International Corporate Finance
New Venture Strategy
Money and Banking
Marketing of Services

本当は3つで良かったし、できるだけほかの事に時間を割きたいのですが、どうも先学期くらいから授業での学びのレベルが確変状態になってきたので、ここはちょっと頑張るか、ということで4つ。今のところどの授業も異常に面白いです。先学期と比べると予習の量も大分少ないので楽だし。

中でも、International Corporate Financeというクラスは、IMFの元チーフエコノミストにして現インド首相のEconomic AdvisorのRaghuram Rajanというシカゴ大のスーパースター教授が教える授業なのですが、これが異常に面白い。1週目がミャンマーのパイプライン、2週目が世界各国の電力プロジェクトのポートフォリオマネジメント、そして来週はPetroBras(ブラジルの石油会社)と、まさに新興国インフラ投資関係のケースの連続。ケースがあまりに面白くて、読み出すと止まらない感じ。授業のハンドリングもなかなか良く、特に国際マクロの観点からの洞察が今のところアツい。研究・実務ともに活躍されている方だからか、エネルギッシュで、オーラが出ている感じです。

僕にとってはこの2年間で一番取りたかった授業だったこともあり、力が入ります。授業の合間にコーヒーを飲みながら先日行ったブラジルの投資関係の雑談をしたりして、出来るだけお近づきになろうとしています。ちなみに、彼の著書"Fault Lines"(最近若干不謹慎なタイトル)にサインを貰って先日のトレックに持っていったのだけれど、自分の分にもサイン入れてもらうのをすっかり忘れていた…

2011年4月5日火曜日

春巡業終了

シカゴに戻ってまいりました。期末試験が終わり、すぐにサンティアゴ(チリ)、リオ・サンパウロ(ブラジル)に飛び、先週の水曜日にシカゴに戻り、さらに週末はボストンに行ってきました。

南米の旅はインフラストラクチャー・トレックということで、昨年の春学期と同じく、インフラ投資家・オペレーターに話を聞きに行ってきました。その後のボストンは、ハーバードで開催されたInternational Development Conferenceに出席してきました。

ま、昨年と全く同じ感じなんですが、さすがに2週間連続で移動していて、疲れた…。とはいえ、今学期がBoothでの最後の学期なので、一休みしてガンガンいきまっせ。

2011年3月10日木曜日

ドラゴンボール的キャリア形成の時代はとっくに終わっている

さて、唐突ですが、ドラゴンボールという漫画では、戦闘力という数値がありました。知らない人は少ないと思いますが、高ければ高い程強いという、アレです。Wikiったところ、農夫の戦闘力は5、宇宙最強の存在であるフリーザの変身前の戦闘力は53万らしいです。

ドラゴンボールが流行ったのがバブル全盛期。僕も小学生でかなりアツくなっていました。

で、その後の少年ジャンプといえばOne PieceやHunter Hunterですよね。One Pieceでは賞金額という若干戦闘力に似たシステムがありますが、こういった最近の少年漫画は、基本的には色々な能力を持った人が協力して戦う、といった類のものが多いです。

で、世の中というのも、同じような変遷があると思うんですよね。

バブル以前は、「全体的に」優秀な人から順番に、省庁、商社、銀行、メーカー…という風に仕事を選んでいって、優秀な人がより規模の大きいものを取り扱っていた。経済全体に追い風が吹いている中では、規模の大きい事業が一番大きなオカネを生んでいたし、成長のポテンシャルもあったわけですよね。戦闘力志向の社会です。

ですが、最近は若干様相が違うみたいです。経済全体としては向かい風の中で、どうも一番大きい事業と一番成長する事業は違うらしい、という感じになってきた。さらに言うと、どうも海外の人たちは専門特化した人が多くて、「全体的に」優秀な人が特定技能に著しく秀でた海外のライバルに勝てなくなってきた。One Pieceで滅茶苦茶強い敵が普段は使えない仲間キャラに特殊な技で倒されるように。こちらは悪魔の実志向の社会(=One Pieceですね)。


所詮、人間の戦闘力(=全体的な能力)の差なんていうのはプラスマイナス10%程度で、ドラゴンボール程に大きな開きは無いわけですから、その中でよい成果を出そうとしたら、専門特化しかないわけですよね。そして自分のユニークさを築きあげることの出来る、構想力が大事。

0.1%とか0.2%とかの小さな戦闘力の差を巡って戦うよりは、そっちの方が余程健全な気もします。

しかしながら、いまだに大手企業の新卒採用というのは、入ってから幾つかの部署を経験し、最終的には「全体的な」能力の高い人材を育てようとしている。さらに言うと、なんとなく世の中で戦闘力の高い企業の序列みたいなものがインプリシットに存在している。で、そこから逆算風に、いい大学、いい高校、いい中学という風に小学校ぐらいまで序列化されている。

日本の社会の仕組みが世の中の仕組みの変化についていってないんですよね。

よくよく考えてキャリア形成をしたほうが良いと思います。

2011年2月22日火曜日

道は険しい

最近何をやっているかというと、勉強ばっかしてます。

がちがちのCorporate Financeです。シカゴにきて、これがやりたくて仕方が無かったのですが、先行して取っておくべきInvestmentsや戦略の授業があったので、このタイミングで取ることになりました。PEやVCの仕組みやディールをケースで学んだり、M&AやSpin-offのケースを学んだりしつつ、基礎固めが出来るFinancial Statement Analysisの授業を取ったりしています。

政府・家計・企業という3つの経済主体のうち企業にガチで焦点を当てていることになる(企業行動のロジックを勉強するというのが本質だと思うので)のですが、今まで開発経済を勉強したり途上国で仕事をしたりしていて、なんとなくよく分かっていなかった部分にガッチリと当てはまる知識が入ってくる感じです。具体的には?と言われると困るのですが、もう少し自分の中で昇華しきる時間が必要。あと3週間残っているしね。

と、いうことで、少しずつ自分の目指す方向に進んでいるような気がするのですが、Was it a right direction?という疑問が常に頭をよぎり不安になります。でもここできっちり基礎固めをして途上国で応用する、というのがセオリーだと思うので、やるしかないです。まぁ、あまりに授業が楽しすぎてかつ大変すぎてそれどころじゃないんですけどね。

2011年1月20日木曜日

冬学期の授業

MBAには2学期制の学校(HBSとかWharton)とQuarter制の学校があるのですが、Chicago BoothはQuarter制で、秋学期、冬学期、春学期の3つがあります。実は夏もあるのですが、これはあまり取る人がいない。と、いうことで、1月の3日から冬学期が始まりました。今学期の授業はこんな感じです。

・Entrepreneurial Finance and Private Equity
・Cases in Financial Management
・Financial Statement Analysis
・Technology Strategy

どのクラスも事前課題が結構重くて、3週目にして死にそうになっているのですが、逆に言うと学びという面ではこれまで以上に良いものを得られているような気がします。ムキムキと筋肉がついてきているのが実感できる感じ。と、いうことで、MBAは中だるみというものが無いね。詳しい授業の説明は、また今度書けたらいいと思います。